ジュハは自分がある日、ロバが死にかけ、日照り続きで、市場の物が値上がりするという困難な事態にもかかわらず、何が何でも神に感謝すると心に決めた時のことを語っています。まもなく試みの時が訪れ、畑を耕していると、何かのトゲが靴を貫いて足に刺さりました。あまりの痛さに叫びながら片足で跳ね回った後、彼は思い出してこう言いました。「神よ、感謝します。駄目になったのが新しい靴ではなく、古いものだったことを。」 なおも畑仕事を続けていると、今度は砂嵐がやってきて、ばったりと地面に叩きつけられました。嵐が治まった時、彼はこう思いました。「大抵は良い天気であることを神に感謝しよう。砂嵐なんてめったに来ないのだから!」 ![]()
彼は財布を下に置いて、再び畑を耕し始めましたが、そこには新しいロバを買うために貯めておいたお金が入っていました。すると通りがかりの泥棒にその財布を盗まれ、ジュハは懸命に追いかけたにもかかわらず、相手を捕まえることができませんでした。ハアハアと息を切らしながら、彼はこう自問しました。「今は何に感謝できるだろうか?」 何も思いつかなかったので、また畑仕事に戻りました。
まもなく一人の船乗りがやって来て、彼に言いました。「私は船乗りになるまで、あなたから教えを受けていました。大波で船が転覆しかけるという恐ろしく危険な目に遭った時、どんな状況でも感謝を捧げるようにとあなたから教わったことを思い出しました。そこで感謝を捧げると、命が助かり、そのことを大いに感謝しています。それであなたに、ささやかな感謝のしるしを贈りたいのです。」 贈り物を開けたジュハは、そこに盗まれたのとまったく同じ額のお金が入っていることに気づきました。「お金がなくなったかと思えば、同じ日の一時間以内に返って来た! 何と素晴らしいことか! 神は恵み深い!」 ![]()
もう少し畑を耕した後で、ジュハはひどく疲れて、大きな樫の木の下で休みました。うとうとと居眠りをしかけていると、ふとスイカ畑に気づいて、こう考えました。「なぜ大きなスイカがあんな小さなつるに実って、巨大な樫の木に小さなどんぐりが実るのだろう。逆ではないのか? 大きな実は大きな木に、小さな木の実は小さなつるに実るべきだ‥‥。」 すると頭の上に一つのどんぐりが落ちてきて、物思いから覚めました。そして突然に悟ったのです! 「神よ、あなたが私よりもずっと賢い方であられることを感謝します。大きな木にスイカがなって、それが頭の上に落ちていたなら、自分は今頃死んでいたことでしょう。」
一日を終えてみると、彼には感謝すべきことが沢山あったのです。
Courtesy of My Wonder Studio.
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生き返る from FreeChildrenStories
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March 2023
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